日経新聞を読む必要性と正しい読み方

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就活中の学生や新卒の社会人が必ず一度は通るのが日経新聞(日本経済新聞)の購読だ。ネットメディアやソーシャルメディアの発展により、様々なジャンルのニュースは「無料で」「早く」「大量に」得られるようになった。そのため「日経新聞を読まずともニュースや経済情報は得られるのだから、わざわざ読む必要はないのでは」と考えがちだ。今回はエグゼクティブにとっての日経新聞の必要性と正しい読み方について、改めて考えていこう。

日経新聞とは

日経新聞とは日本経済新聞社が刊行する「日本経済新聞」のことだ。1876年から刊行された三井物産系の新聞「中外物価新報」がそのルーツとなっている。朝刊の販売部数(電子版含む)は世界第一位の経済紙であり、約300万部の販売部数は第二位の米ウォール・ストリート・ジャーナルを大きく超えている。

国内の全国紙としては、読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・産経新聞などが挙げられるが、比較的中立で特定の派閥に偏った記事は少ない。あえて言えば財界寄りで、政治的にはやや保守的だ。経済や市場(特に株式)に関する記事が多い中、政治面や社会面があり、文化面・スポーツ面も充実している。

日経新聞を読むべき理由

新聞を読むべき理由としてよく挙げられるものは、過度に偏らずに情報を取得することができる点だ。

新聞紙では政治・経済・スポーツ・社会等、様々なジャンルの記事が見出しだけでなく、記事内容と共に紙面ごとに紹介されている。新聞の紙面を開けば関心の度合いが低い記事内容であっても、流し読み・拾い読み程度ならすぐにできるため、関心が薄いテーマの情報を得る機会が必然的に増える。

ネットニュースでは画面に並んだヘッドラインを選ばなければ記事の内容を読むことができない。その結果、「自分が気になるニュース」「関心のあるヘッドライン」ばかりが選ばれてしまう。

多くのニュースサイトでは分単位・時間単位で次々と記事が更新される。その結果、その日に起きた出来事の中で、自分がスマートフォンを開いたタイミングで関心を持った出来事ばかりが選択され、本人に無自覚のまま「情報の偏り」が生じることになってしまう。

新聞のもうひとつのメリットは、社会的にインパクトの大きい重要性の高い話題の情報を瞬時に把握できる点だ。

新聞紙を見れば誰でもその日の重要なニュースを把握できる。極端にいえば、1面のトップニュースだけを見ればわかる。ネットニュースではそうはいかない。

重要なニュースを把握することは、「どのようなニュースが社会的に大きく影響するか」という思考能力を鍛えることにも繋がるから、意外とおろそかにできない。偏った情報源の中に生きていると、得てして社会の大きな動きに取り残されかねない。

新聞の正しい読み方

「新聞を読むように」とは言われても、「新聞の正しい読み方」については思いの外あまり知られていない。隅から隅まで読み込むことも大事ではあるのだが、毎日の限られた時間の中で最大限の効果を上げるためには、コツが必要だ。

2紙以上を比較せよ

新聞は少なくとも2紙以上は読まなければならない。なぜなら、第2次安倍政権が始まる直前の2013年から2014年ごろから、ニュースの取り上げ方が新聞ごとに差が出るようになり、各紙の意図が表現され色がかなり強く出ているからだ。はっきりいうと、政権に対する意見がニュースの取り上げ方に色濃く出てしまっている。

各紙の「社説」と「コラム欄」をチェックするとその新聞社の考えが手に取るようにわかる。社説は世論形成や政治・経済政策に影響を及ぼしているともいえる。どの2紙を選ぶかについて正解はないが、論調が真逆なもの、例えば1紙は保守系(日経新聞や読売新聞)でもう1紙はリベラル系(毎日新聞や朝日新聞)という組み合わせが考えられる。

詳しく読むな

新聞は飛ばし読みが基本だ。細かく読み込むことよりも、「全体感」を意識すること。

ニュースを読む力を磨くコツは、インプットではなくアウトプットとして捉えることだ。「なぜこの記事よりあの記事が大きく取り上げられるのか」「この記事は今後どのように展開していくのか」と考えながら読むことで、経済に対する勘所が肌でわかるようになってくる。

ちなみにコメンテーターや経済評論家は、1日に10社前後の新聞を1時間半から2時間かけて読んでいる。一般的なビジネスマンでは新聞にかけられる時間はせいぜい10-20分程度だろう。

現代の新聞の読み方

新聞を読むのは紙面が望ましい。とはいえ、紙面では満員電車で読むには不便だし、後から読むために情報を保管するのも面倒だ。

新聞をスマホで読むというのが、現代のビジネスマンのスタイルだ。場所や時間を問わずニュースや社説に目を通すことができ、アーカイブを見れば過去の記事を読むことも難しくない。自分が気になる記事をピックアップしておくことも容易だ。

コメンテーターや経済評論家は明確に紙面と電子版を目的別に使い分けており、ツールの活用や有用性については専門家も認めている。

SNS系ニュースの使い方

ではネットメディア系やソーシャルメディア系のニュースが使えないかというと、そういうわけでもない。

アウトプットの場としてSNS系ニュースはとても便利だ。例えば筆者はNewsPicksのニュースに対する様々な意見についても積極的に目を通すようにしている。意見の中にはその分野の専門家が発信しているものもあり、自分と異なる見解があることを認識するにはとても貴重な場となっている。

結局はメディアも使い道というわけだ。何はともあれ、日経新聞の購読を考えているのであれば、まずは便利な日経 電子版の利用を検討してみてはいかがだろうか。

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