現代では多くの人が短大や大学を卒業し、20代で就職することになる。どんなに自己分析や準備をしていても、実際に社会人になるまでは自分の働くイメージが湧かず、入社してからも様々なことに悩むだろう。入社して5年や8年働き続ければ、仕事はできるようになるものの、30歳を目前にして将来のキャリアに不安を覚えることも多い。今回は自身の体験をもとに20代の就職・転職について語っていきたい。
20代でもキャリアに悩む人は多い
私自身が様々な方から相談を受けるが、以前に比べて20代でキャリアに悩む人が増えていると肌で感じるようになった。おそらくあなたの周りの若い方やあなた自身も悩んでいるかもしれない。
正直、以前はそれほどキャリアに迷う人はいなかったと思う。日本では長く勤めていればそれほど派手な業績をあげていなくてもそれなりの昇進はできたし、それに伴い昇給も期待できた。民間とはいえ、終身雇用のもとではそれほど深く考えなくても定年までひとつの会社で働くことは難しくなかった。
時代は変わった。もはや終身雇用は期待できるものではなく、実績をあげないことには昇進できず昇給も止まっている人も増えてきたと思う。
そのような時代では、若く可能性のある20代の仕事や会社への価値観は変わった。「ひとつの会社で一生働く」よりも「自分のやりたい仕事に近づけるか」という志向が強くなってきた。
学生時代、どんなに自己分析や準備をしていても、実際に社会人になるまでは自分の働くイメージが湧かず、入社してからも様々なことに悩むことになるだろう。入社して5年や8年働き続ければ、仕事はできるようになるものの、30歳を目前にして将来のキャリアに不安を覚えることも多い。
私の経歴とキャリア
私自身のキャリアを語っていこう。現在は30代半ばであり、平日は会社員として働いている。今に至るまで転職を1度経験した。
学生時代は国立大学で理系のとある分野を専攻していた。大学院も修士まで学位を取得し、その頃は買い手市場だったが、新卒で無事に就職することができた。
しかし、就職活動は順調だったわけではない。自己分析は早くから行っていたし、業界研究もかなり深くしていたのだが、採用選考がかなり早い時期に行われる、当時志望していた業界(職種)の面接で全て落ちてしまったのだ。自分の実力不足といえばそれまでだが、結果にはかなり落胆した。並行して進めていた滑り止めの会社には受かることができ、その会社に入ることに決めた。
入社するまでに会社や同期の人と研修として顔を合わせることがあり、なんとかやっていこうと気持ちを切り替えることができた。だが、待遇面、そして何よりも第一志望の業界・職種ではなかったため、入社前から、そして入社してからも、チャンスがあれば転職しようと決めていた。入社する4月1日の前後にまとめて転職サイトに登録する人は流石に多くはないだろう。
記憶に残っているだけでも、以下の転職サービスに登録していた。
- リクナビネクスト
リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- 日経キャリアNET
JAC Recruitment
ビズリーチ
転職サービスは大きく、それぞれの募集内容を専門家が見て個別判断する「エージェント系」と、とにかく求人一覧を検索できる「検索サービス系」の2種類に分かれている。ある程度のサービスクオリティを有しているところには登録しておき、いつでも転職活動を始められるようにしておくとスムーズである。
実際に転職活動を本格的に始めたのは、社会人5年目になってからだ。転機としては、30歳を間近にして、自分の本当に志望していた職種に就くには30歳になる前がよいだろうと将来のキャリアを見つめ直した結果だ。会社の先輩が次々に転職していったことも影響していた。振り返ってみると、正直、それまでよく続いたなぁと思う。
私自身のキャリア観
私自身のキャリア観を改めて考えてみると、やりたい仕事ができるというのが一番の決め手となっている。もちろん、やりたい仕事を任せてもらえる会社の環境には感謝しており、やりがいも感じている。それでも一番重要視しているのはやりたい仕事である。
しかし、最初の会社に入ったことも決して無駄ではなかったと思う。今でもそのときの同期や先輩・後輩とは飲みに行っているし、その時にお世話になった社外の人とも別の形で関係が続いている。そうすると色々な情報が入ってくるだけでなく、様々な視点で考えることができるようになったことは大きな財産だ。
結局、みんな悩んでいる
社会人になると自分のコミュニティで悩みを打ち明けられないことが多いと思う。「悩んでいるのは自分だけだ」と考えがちだが、そうではない。悩んでいることは違っていたとしても、悩んでいるのは皆同じだ。
特に、キャリアのことになれば会社の人には相談しにくいだろうし、身近に詳しい人はまずいない。
もし自身のキャリアに迷っているようなら、可能性を広げるためにも転職サイトや転職エージェントに登録し、自己分析や専門家への相談をすることは選択肢に入れてもよいのではないだろうか。